こんにちは!ふくずみ皮フ科形成外科です。
梅雨が明けた途端、猛暑日続きで体調など崩されてはいらっしゃいませんか?
感染予防対策として真夏の外出時でもマスク着用が必須のこの時期ですが、そんな中一般用不織布マスクは紫外線を透過してしまうものもあり、「マスクによって肌が守られて日焼けしない?」と思ったり、「日焼け止めを塗ったり化粧をするのが正直面倒くさい」などと思って紫外線対策なしで外出をしてしまうと、うっかり「マスク越し焼け」をしてしまう可能性があります。マスク着用時の外出時も紫外線対策もしっかりとしておくのがおすすめです。
そもそも、紫外線対策はどうして必要なのでしょうか?
紫外線(UV)とは太陽の光に含まれる光線の一種で、波長の長さによって、大きくUVA、UVBそしてUVCの3種類に分けられます。なかでもUVAとUVBはオゾン層を通り抜けて地上まで到達し、私たちの肌老化に影響を与えます。
肌にダメージを与える紫外線【光老化】
UVAは
表皮のさらに奥の真皮と呼ばれるところまで届き、肌の弾力を作っている繊維層に対して、シワやタルミの原因となるダメージを与えます。
UVBは
短時間で表皮に炎症を起こし、皮膚の乾燥やシワ、シミの原因になる。
日差しがなくても降り注ぐ【紫外線の量】
紫外線は一年を通じて降り注いでいますが、やはり日差しが強い夏は紫外線の量も多いです。なかでもUVAはUVBに比べ季節による変化が少なく、冬でも夏の半分ぐらいはあるので、注意が必要です。一日の中では、UVB、UVAともに正午前後がもっとも強く、UVAは時間による量の変化が少なく、朝から増え始めたUVAは午後の遅い時間になっても減らないのです。
曇りの日は晴天の6割程度、雨の日でも3割程度の紫外線が降り注ぐと言われています。
さらに、波長の長いUVAは窓ガラスも貫通するため、室内や車内にいても紫外線の影響を受けてしまうことから、油断は禁物ですし、紫外線は壁や地面で跳ね返るため、日傘や、サングラスなどでの対策をしていても注意が必要です。
たとえば、このような過ごし方が油断は禁物!
- 家にいるときは肌の負担を減らすため、スッピンのまま
- 短時間の外出や洗濯物を干すだけなら
- 毎日、浅1回、日焼け止めを塗っているから大丈夫
- 曇りや雨の日はUVクリームは塗らない
こうした積み重ねが光老化の原因になっています。
健康には不可欠な紫外線
悪影響ばかり注目されがちな紫外線ですが、実はビタミンDを生成する効果もあります。皮膚にUVBが照射されるとビタミンDが皮下でつくられるのです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の形成や筋力を高める効果が広く知られていますが、その他にもガンや感染症、糖尿病などの予防にも働いているといわれています。ビタミンDをつくるために紫外線は必要ですが、一方で人体への悪影響、肌への老化というジレンマが紫外線には付きまといます。
日焼けしても肌の色はいずれ戻るから大丈夫?
紫外線は肌の深いぶるんに影響を与え、そのダメージは毎日蓄積されています。この積み重ったダメージが許容量を超えると、シミなどが目立ち、じわじわと私たちの肌の老化をすすめていきます。
日焼け止めの【正しい量】
日焼け止めを塗ったにもかかわらず日焼けしてしまってる…という経験のある方。日焼け止めのパワーを最大限に発揮するための「適正量」をご存知でしょうか?日焼け止めの効果測定試験では「試料塗布量 2㎎/㎠」が規定とされており、この量で効果が測定されています。つまり、肌面積1㎠につき2㎎の日焼け止めを肌に塗るということ。
適正量を正しく守って塗らないと、十分な効果が得られないのです。
顔の大きさを、400㎠(20㎝×20㎝)と仮定すると、顔全体に必要な日焼け止めの量は800㎎(400㎠×2㎎)。グラムに換算すると0.8gです。0.8g???
環境省「紫外線環境保健マニュアル2015」には、以下のように紹介されています。
しっかりと紫外線を防ぐためには、1度にこれだけの量が必要なのです!1度にたくさん出しすぎると伸ばし過ぎて結局薄づきになってしまいますので、重ね塗りが本当におすすめです!!そして日焼け止めはこまめな塗り直しが重要で、できたら2〜3時間おきに塗り直すと、より効果が持続します。「適正量をムラなく」塗ってこそ、効果を発揮してくれますので、正しい量を使用して、「紫外線」を確実にブロックし、美肌の維持に皆さん努めてくださいね。