症例写真です。脂漏性角化症のレーザー治療 60歳代男性 炭酸ガスレーザーを使用。 | ふくずみ皮フ科形成外科

今回は、脂漏性角化症のレーザー治療について触れてみたいと思います。

患者さんは、60歳代の男性の方で頬に大小の大きさで多くの盛り上がったシミが認められます。
このシミは、脂漏性角化症と呼ばれるもので、紫外線による老化現象により生じます。

治療は、麻酔の注射を行った後、炭酸ガスレーザーで行いました。

炭酸ガスレーザーは、波長が10600ナノメートルで赤外線領域に含まれます。
水分子に吸収される性質があります。

レーザー光線が水分子に吸収された瞬間に1200度にまで温度が上昇すると言われています。

脂漏性角化症の病変に炭酸ガスレーザーを照射しますと、煙が発生します。
この煙が出る仕組みは、あまりに瞬間的に高温に熱せられた水分子が沸騰して蒸気やガス、煙分子となります。

これを「蒸散」(じょうさん)と言います。

脂漏性角化症の病変自体は、表皮内に留まりますので、レーザーで削る深さはそれほど深くにはなりません。
ですから、レーザー治療後の上皮化(皮が張る)のにも比較的短期間(7日前後)で済みます。

レーザーで真皮層が軽く露出するくらいで蒸散を終えます。
蒸散を終えると綺麗なピンク色の真皮層が露出しますので、無事病変が取れたことが良く分かります。

治療後は、ワセリン基材の軟膏を塗っていただきガーゼとマイクロポアと言う小孔の空いた肌色テープを貼って頂きます。
ガーゼによるケアは、概ね7~10日くらいです。

この脂漏性角化症は、炭酸ガス・レーザーが最も得意とする病変です。

どうぞよろしくお願い致します。

それでは、また!

吹角 善隆 拝

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