症例写真 重症ニキビ イソトレチノイン内服×約一年間 | ふくずみ皮フ科形成外科

今回は、重症のニキビ(膿ほう性ざ瘡)の患者さんの治療で、イソトレチノインの内服(ビタミンA誘導体)が良く効いた症例を
ご覧に入れたいと思います。

患者さんは、20才代後半の女性の方です。

これまで、複数の皮膚科で抗生剤やビタミン剤の内服、抗生剤の外用を使用して来られましたが、効果があまり見られなかったと仰っておられました。

治療前の写真をご覧頂きますと、大きな膿みをたたえた膿ほう型のニキビが多数認められます。

こう言った重症型のニキビの治療には、イソトレチノイン(ビタミンA誘導体)の内服が欠かせません。

★ 治療前 2013年1月22日

☆ 治療後 2014年2月25日

一年と一ヶ月間、ビタミンA誘導体の内服を続けていて頂きました。

ほとんど全てのニキビを抑え込む事が出来ております。

イソトレチノインの作用機序は、皮脂腺に働きかけて皮脂腺を萎縮させます。
その結果、皮脂の分泌を10分の1程度にまで減少させます。

脂性の肌質の方や、重症ニキビを患っておられる方は、皮膚内の皮脂腺の過形成が多く認められています。 ブドウの房状に皮脂腺が非常に大きくなっているのが観察されているのですが、イソトレチノインの内服により

この大きく育った皮脂腺がどんどん小さくなって来るんです。

もともと、ニキビは毛穴に過剰皮脂が溜まり過ぎて生じていることが多いですので、この皮脂自体を減少させることが
出来れば、ニキビの原因の根本的な解決になります。

副作用としては、ごくまれに肝機能障害を起こすことがありますので、2ヶ月ごとに血液検査が必要となります。

また、授産希望の方は、催奇形性がありますので内服中と内服後6ヶ月間は妊娠できません。

あと、内服の効果が強すぎますと、乾燥性皮膚炎が生じることがありますので、その場合は内服していただくペースをゆっくり目にして頂きます。

内服予定の期間ですが、通常20週間が目安です。

料金:¥31,500~¥63,000(当時1錠¥420)

副作用の発現頻度はそれほど高くは無いですから、ことさら副作用について恐れすぎる必要はないかと思います。

今日は、ここまでにします。

いろいろな治療に抵抗性を示す重症型のニキビの方には、是非、このイソトレチノイン(ビタミンA誘導体)の内服をご検討していただければと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

それでは、また!

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