アトピー性皮膚炎
治療は、内服剤と外用剤、日常生活上の留意点の三点を中心として行っております。また、院長自身も20年来アトピー性皮膚炎に悩まされてきたため、その経験も治療に役立てております。一人一人の症状によって治療法は異なりますので、一度ご相談ください。
アトピー性皮膚炎の治療について
アトピー性皮膚炎の治療は、内服剤と外用剤と日常生活上の留意点の三点を中心として行っております。
巷ではアトピー商法という言葉があるとおり、漢方が良いとかお茶が良いとかその他サプリメント(のようなもの)や特殊な水が効くですとか、誠に情報が溢れ返っていますが、万人に効く治療法は一つも無いと思っております。
その中で一人のアトピー患者として様々な治療を受けてきたことを踏まえて、自分自身良かったと感じたものを組み合わせ、患者さんの治療に役立てております。
アトピー治療のポイント
- 抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤の内服
- ステロイド外用剤を保湿剤等で濃度調整を行った上で必要最少量を使用する
- 馬油トリートメントを用いた全身に対するリンス療法
- ボディーシャンプー・ポンプ式シャンプーをやめて固形石鹸への回帰
- 日常での化学物質に暴露される量を最少量に留めるよう工夫する
- 食餌アレルゲンが偏らないような食事習慣
それぞれの内容に対する細かな記述は避けますが、私の信念として副作用が少ない治療、アトピーの症状の波がなるべく小さく済むように、また患者さんの強い努力を必要としない持続可能な方法を選択してまいりたいと考えております。アトピー性皮膚炎にまつわる炎症後の色素沈着(黒ずみ)に対しても、必要に応じて光治療やレーザー治療を行っております。アトピー性皮膚炎の治療はその他の皮膚疾患と同様に、一つ一つは何でもない治療でも、その組み合わせや方法を工夫することで思わぬ優れた治療結果が引き出すことができます。
これからも私自身を含めてアトピー性皮膚炎に対する治療は、悲鳴を上げている肌に対し強制的に無理矢理治療を進めるのではなく、叫びを上げる肌からのメッセージをよく聞き分けて、優しくなだめるようなもしくはいたわるような治療を心がけたいと思っています。
じんましん
じんましんの治療は内服薬だけではなく、じんましんが起きた場合に守っていただきたい注意点などをお伝えすることも重要視しています。原因がわからない、長引いているなど、お悩みの点を診察時にご相談ください。
じんましんの症状とは?
じんましんは、ひっかくと赤いミミズ腫れが次々と起こる、やっかいな病気です。 3週間前後で治る急性のものと、それ以上続く慢性のものがあります。
「3週・3ヶ月・3年」という言い回しがあり、
「3週間で治らなければ、3ヶ月 続くおそれがありますよ。」
「3ヶ月で治らなければ、3年間 続くおそれがありますよ。」
という意味なんです。
当院では、どんなにしつこく長引いておられるじんましんでもぴたっと止めてみせるという意気込みで治療にのぞんでいます。
じんましんの原因とは?
- 抗生剤や鎮痛剤の内服によるもの
- ストレス・イライラ・睡眠不足といった心因的なもの
- 暑さ・寒さなどの寒暖の差
- ホコリ・ダニ・花粉・動物の毛といった吸入物
- 接触・圧迫・まさつといった物理的刺激
- たまご・牛乳・えび・そばといった食物アレルギー
- 副鼻腔炎などの慢性感染症
こういった原因を避けることが大事なのですが、当院では、じんましんが起きた場合、以下の注意点を重要視し、アドバイスを行っています。
- 温まらないようにする。
→熱いお風呂やシャワー・サウナを避ける。- 血行がよくなるようなことは避ける。
→お酒を飲む・汗をかく運動はしない。- カレー・ワサビ・トウガラシといった刺激物を避ける。
- 寿司・刺身・カルパッチョなど生ものを避ける。
白斑
当院では、紫外線療法を中心に、内服・外用などの治療を組み合わせ、治療効果をあげる事に努めています。症状に合わせた治療を行っておりますので、診察時にご相談ください。
尋常性白斑について
尋常性白斑は古来よりシロナマズという俗称がつけられ、治りにくい病態として有名でした。数センチ大の大きさの色抜けが数個認められる「限局型」と、全身の広範囲に拡大する「汎発型」、更に、神経の通り道に沿って白斑が生じる「神経分節型」の3つのタイプがあります。白斑部に痛みや痒みを感じることはほとんど無く、また、人に感染することもありません。
発症の原因は、怪我・ヤケド・日焼けなど、皮膚に何らかの刺激が加わって起こるもの、自己免疫反応によるメラノサイト(色素を産生する細胞)への攻撃、その他ストレスも原因のひとつと言われていますが、今なお正確には解明されていません。また、発症する時期も幼少期、成人してからと様々で、自然に治ることはあまり期待出来ません。
エキシマライトによる紫外線治療
紫外線治療の歴史は
- UVB療法
- 光感作物質ソラレンを用いたPUVA療法
- ナローバンドUVB療法
- エキシマライト・エキシマレーザー
と、時代とともに新しい紫外線治療機器が誕生しました。
当院では、エキシマライトを用いた紫外線治療器であるVTRACで治療を行っています。エキシマライトは発癌性が低く、リスクが少ない306nm~310nmの波長を有しており、この紫外線を白斑部分に照射し、光刺激を与えることで色素の再生を促します。現在の白斑治療では有効性が高く安全といわれているのがこの、エキシマライトを使用した紫外線療法です。
紫外線治療は健康保険の適用が認められており、1回の治療費の自己負担額は3割負担の方で1,020円(2021年4月現在) です。
当院での紫外線治療の実際
紫外線照射量は大体80mJ/㎠から開始しますが、照射翌日に軽い赤みが出るくらいが丁度良い強さとされていますので、赤みが出なければ次回から少しずつ出力を上げていきます。照射部位の反応を患者さんにお聞きしながら、最適な出力 を決定します。また、身体の部位によって反応が異なる為、出力を変えながら照射を行います。
白斑の形は楕円形から細かいものまで様々です。紫外線照射時には健康な皮膚を黒いフエルトで覆い、紫外線が白斑部位以外になるべくあたらないようにします。 1週間に1度のペースで、2~5回くらい繰り返し紫外線療法を行うと、全くメラニンが見られなかった白斑の上に、 ポツポツと点状のメラニン生成が確認できるようになります。
更に5回、10回と治療を重ねていくと、徐々にメラニンが増えて白斑の大きさが縮小していきます。治療により一度ついた色(メラニン)は滅多に消えることはありません。但し、白斑の種類によっては、稀に反応が乏しいものがあります。
紫外線療法とその他治療の組み合わせ
当院では、抗アレルギー剤の内服、ステロイドや活性化ビタミンD3製剤の外用を使用します。
尋常性白斑の治療は、器械の進歩により治療効果が以前より高まっていますがまだまだ数カ月~数年単位の治療が 必要な方も多く、特に広範囲の白斑などは治療が難しいという現状です。当院では紫外線療法を中心に、内服・外用を 組み合わせて治療効果をあげる事に努めています。
手荒れ
手荒れにも軽度から重度まで、様々な症状があります。繰り返す手荒れにも、強烈なかゆみを伴う手荒れにも、短期間で治療を行います。治らないと諦めずに、医師にご相談ください。
手荒れについて
当院には、重症の手荒れの方が多く来院されます。 手荒れと一口に言っても、ちょっとかさつく程度から手全体が腫れ上がり深い亀裂が生じて(赤切れ)、夜中に猛烈なかゆみをもよおす重症の手荒れまで、症状の程度はさまざまです。
手荒れの原因として、美容師さんのシャンプーやパーマ液でかぶれたりする職業的なものが多いのですが、皮脂の落とし過ぎによるものも多く見受けられます。他にも革製品や草花・ゴミ製品によるかぶれを見過ごしてはなりません。患者さんの職業をお聞きする事が重要です。例えば、花屋の店員さんで草花を日頃触ることで手のかぶれを起こすことがあります。また、茎や葉に付着している農薬が原因になることもあります。
軽い手荒れの場合は、食器洗いなどの洗剤を使うシーンでゴム手袋をはめて頂いたり、手を洗う回数を減らして頂いた上で、保湿剤や中くらいの強さのステロイド外用剤で治療すれば、短期間で治すことが出来ます。
手荒れの状態が中等度の方には、更に毎日の洗髪時にも注意を払って頂いております。湿疹で皮膚の表面が固くなった状態で髪を洗うと、髪の毛がカミソリのような働きをします。硬くなった皮膚に細かな傷が大量につけられ、そこにシャンプーなどの洗浄剤が入り込むと、更に症状を悪化させてしまいます。
当院では、生ゴミ用の薄手のプラスチック製の手袋をお渡しして、患者さんの毎日のシャンプー時に使って頂くようご案内しております。一見面倒に思われる方も多いのですが、こまめに手の保護を行なって頂きますと、治りは格段に良くなります。
数ヶ月~数年に渡って高度の手荒れが続いている方には、更に踏み込んだ治療が必要となります。ガチガチに分厚くなった皮膚に、どんなに強いステロイド剤を塗ったとしても、ただ単に塗るだけでは治すのはもはや不可能に近いものがあります。
当院では、重度の患者さんに対し、主に大学病院等の皮膚科に入院されている患者さんに行われるODT(密封療法)に、重層法を組み合わせた治療を行っております。方法は、ステロイド外用剤 を湿疹のある部位に厚めに塗った後、その上に亜鉛化軟膏という、いわば石膏のような軟膏を重ね塗りします。更にメロリンという特殊なフィルム付きのガーゼで手全体を包みます。そしてその上から弾性包帯で手先から手首までぐるぐる巻きにします。
このメロリンを用いた手袋を手の形に合わせて作成した後は、一週間ほどの間繰り返し使って頂いております。日中使用すると手が自由にならず、仕事に差しつかえがあるかと思いますので、夜入浴後にステロイド軟膏と亜鉛化軟膏を塗ったあとに装着して頂き、起床時に外して頂くというふうにお使い頂いています。通常、この密封療法を行えば、ステロイド外用剤の効き味は、ただ外用剤を塗る場合に比べて3倍~5倍の効力を発揮すると言われています。他に、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服を併用しております。
実は、僕自身、重度の手荒れに悩まされていた時期がありまして、有名な皮膚科の先輩医師に相談したのですが、どうしても症状が和らぐことが出来ず、なんとか自分自身で治療せねばと思案した結果、たどり着いた治療法です。 今では、どんなに重症な手湿疹であっても1ヶ月以内に治してみせますと豪語しております。
手荒れが治った後も再度繰り返さないように、常日頃から手洗いの回数を減らしたり、保湿剤をこまめに塗って頂いたり、シャンプーや食器洗いの際には面倒でも必ず手袋をはめて頂いたりと、患者さん一人一人に手荒れがぶり返さないように用心して頂いております。
あざ治療
あざの種類はたくさんあり、それぞれに治療法が異なります。
当院では、20年以上レーザー治療を専門に行ってきた院長により、豊富な経験と知識のもと適切な治療を行います。
健康保険で使用が認められているレーザー治療器を、全て取り揃えています。
あざの種類
赤アザ
赤アザについてはVビームのページをご覧ください。
青アザ
茶アザ
黒アザ
その他のアザ
健康保険で治療できるアザ
単純性血管腫 | |
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症状 | 境界のはっきりした平らな赤アザが、体のいろいろな部分にできます。大きさもさまざまです。生まれつきあるアザで、自然に消えることはありません。 |
原因 | 先天的に血管が増殖したものです。 |
苺状血管腫 | |
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症状 | 生後数週間で、赤い斑点ができ、盛り上がっていちごのように見えます。自然に小さくなりますが、まれに大型化して、治ったあとにたるみができる場合があります。 |
原因 | 血管が先天的な原因で増殖したものです。 |
毛細血管拡張症 | |
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症状 | 毛細血管が増殖しアザ状になっている症状と違って、顔の皮膚の赤みが目立つ場合や、血管が浮き出たように見えるのが赤ら顔の症状です。 |
原因 | 出産や更年期、老年などの時期からあらわれる場合もあります。 |
太田母斑 | |
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症状 | 顔の片側の眼の周りを中心にして現れる青アザです。自然に消えることはありません。 |
原因 | 先天的ある場合と、思春期になって現れるものがあります。 |
異所性蒙古斑 | |
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症状 | 通常お尻に現れますが、稀に腕や足、お腹や胸などに蒙古斑が生ずることがあります。このような場所にできる蒙古斑は、異所性蒙古斑と呼ばれ、年をとっても完全に消失しません。 |
原因 | 東洋人の乳児に特有のアザなので蒙古斑と呼びます。 |
外傷性異物沈着症 | |
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症状 | アスファルトや鉛筆の芯、花火の爆発などにより皮膚の中に異物が入り込み残ってしまった状態を言います。異物によって、青や黒色に見えます。 |
原因 | 交通事故や転倒の際にできる事が多い。 |
扁平母斑 | |
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症状 | カフェオレ斑とも呼ばれる茶色のアザです。生まれたときから乳児期の間に6個以上のアザがある場合、皮膚科医の診断を受けてください。10歳以上になってから表面に毛の生えた茶色いアザができることもあります。 |
原因 | 生まれつきのものと思春期以降にできるものがあり、再発しやすい性質があります。 |
自費治療になるアザ
色素性母斑 | |
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症状 | いわゆるホクロのことです。3〜4歳ごろから体のあらゆる部分に現れます。盛り上がっているものや平らなもの、黒いものや褐色のものなど、形状や大きさもさまざまです。自然に消えることはありませんが、ほとんどの場合治療の必要はありません。 |
原因 | 皮膚の色素異常です。 |
その他のアザ/表皮母斑など | |
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症状 | 表皮母斑、脂除母斑などがあり、これらのアザの多くは最新のレーザー治療によって完治させることが可能になっています。アザの種類や症状によってその治療方法も異なります。 |
原因 | ― |
よくあるご質問
Q.子供のレーザー治療は何歳から治療できますか?
A.首すわりが完了してから可能です。2歳を過ぎると治療が困難となりますので、早めの受診をお勧すすめします。
小さなお子様は、レーザーを照射するとほとんどが大泣きされます。治療中の嘔吐による窒息を防ぐため、少なくとも治療開始30分前からは飲食を控えて下さい。
Q.レーザー治療に麻酔は使用しますか?
A.アザの種類や濃さ、使うレーザー機器によって麻酔クリームやテープ麻酔、注射による局所麻酔を行ってから照射します。
Q.目の周りでも治療できますか?
A.特殊なコンタクトレンズで保護しますので、治療可能です。
真菌症
水虫は、真菌(カビ)が皮膚に侵入して起こる皮膚感染症の一つです。治療には、抗真菌剤の内服と外用があり、症状によって治療法は異なります。
真菌症治療
水虫は、真菌(カビ)が皮膚に侵入して起こる皮膚感染症の一つです。足の裏や足の指の間に出来るものが、いわゆる水虫の代表的なものです。汗をよくかく運動選手などの股間に見られる白癬症は「インキンタムシ」と呼ばれます。
汗がたまりやすい女性の胸元や背中に見られる瘢風(でんぷう)も瘢風菌という名前のカビが原因です。また、手足・股間・頭部を除いた白癬症を「ゼニタムシ」と呼ぶことがございます。
白癬菌が頭部の皮膚深部に侵入して炎症を起こした場合、脱毛症を引き起こすことがあります。男子学童の間で流行する頭部白癬症には「シラクモ」という名称がついています。
この「シラクモ」(頭部白癬症)を放置すると症状が酷くなり、この菌が頭部の毛穴から皮膚内部まで侵入してしまいます。皮膚内部にまで感染すると「ケルズス禿瘡(とくそう)」と呼ばれる広範囲な脱毛を引き起こす病気となります。
爪に水虫菌が感染した場合、爪が白く濁り、著しく分厚くなる「爪白癬」と呼ばれる状態になります。
風邪を引いたりして抗生剤を内服した後、2~3週間して外陰部がかゆくなるカンジダ性皮膚炎も真菌(カビ)が原因です。
以上のことから、真菌による水虫症状は、全身のどこにでも生じる可能性があります。水虫の診断は、皮せつを取り、顕微鏡で真菌の存在を確認いたします。
体部白癬(ゼンタムシ)は、環状紅斑と呼ばれる皮疹が円形から楕円形の形を取り、周囲が堤防状に赤く盛り上がるのが特徴です。また、皮疹の中央が軽い色素沈着を帯びている以外は、一見、正常皮膚のような外観を示します。
治療には、抗真菌剤の内服と外用がありますが、皮膚深部に真菌が及んでいる深在性の真菌症には、真菌に効く内服剤が必須となります。体部白癬や股部白癬、それからいわゆる足の水虫には、抗真菌薬のローションやクリーム、軟膏が有効です。
水虫に効果の在る外用剤
水虫に効果の在る外用剤には、次の4種類があります。
- チオカルバメート系
- イミダゾール系
- アリルアミン系
- モルフォリン系
1と3は、主に白癬に有効です。 2と4は白癬、カンジダ、瘢風に有効です。
水虫治療のポイント
当院で水虫の患者さんに注意して頂いている点は次の4つです。
- 患部をよく洗って清潔に保って頂く
- 水気を良く拭き取った後、皮疹のある部位だけでなくふたまわり程広く水虫薬を塗って頂く。
土踏まずや足の一部に皮疹が見られる場合には、足の裏全体に薬剤を塗って頂くことが大切です。(一見、正常に見える部分にも水虫菌がはびこっていることが多いからです。)- 通気性の良いサンダル等の履物を履いて頂く。
よく見られる患者像として、革靴を毎日履いておられる方に多く見受けられます。休みの日は、裸足にサンダル履きがよろしいかと思います。- ヨーグルトやアルコール(ワイン・酒・ビール)、味噌、チーズなど発酵物の摂取を控える。
発酵物がお好きな方は、体全体が水虫菌を受け入れやすい状態になっていると考えられますので、くり返し水虫に悩まされる方には、こういった食品の摂取を減らして頂くようにお伝えしております。
また、市販の水虫クリームを使用してかぶれを生じておられる患者さんが来院されることがあります。ジメジメした病変部を乾燥させる目的でクリーム系の外用剤が多く販売されていますが、クリーム基剤はかぶれを引き起こすことがあります。
そこで当院では、そういった状態の方には軟膏系の水虫治療薬と炎症を鎮める為に中等度のステロイド剤を混合してお使い頂くようにしております。こうすることで、湿疹と水虫を一度に治すことが出来ます。
爪水虫の方は、真菌に効く内服剤を半年程度続けて頂きます。60~70%の爪水虫は半年程度で綺麗に治せるのですが、残り30~40%の患者さんは薬剤に反応せず、新しい爪がなかなか生えてこないという状態に出くわします。
高齢の方で、爪が全く伸びてこない重症の爪白癬に対して抗真菌薬の内服が無効なことが多く、良い手立てが見つかっておらず、今後の課題となっております。
かぶれ
かぶれ症状を引き起こす原因物質は、日焼け止めや化粧品、金属製品だけではなく、日頃手にする全ての物が原因となり得ます。パッチテストにて原因物質を突き止め、ステロイド剤等の外用や内服薬を処方します。繰り返し症状が出ないよう、治療を行います。
接触皮膚炎治療
当院には、日焼け止めやネックレス・ピアス・ベルトのバックル等で皮膚がかぶれたとおっしゃって来院される患者さんが多くいらっしゃいます。ピアスによるかぶれは、汗をかいた時にピアス内部のニッケル成分が溶け出してアレルギー反応を引き起こしていることが多いようです。一度かぶれの症状が起こった後は、体内でかぶれの原因物質に対する記憶が残っておりまして、再度、同じ物質が体に触れた場合には、1回目よりも強いかぶれ症状が現れてしまいます。
かぶれ症状を引き起こす原因物質は、日焼け止めや化粧品や金属製品だけではなく、私たちが日頃手にする全ての物が原因となり得ます。意外な原因物質として、衣類の染色剤、皮革製品のなめし剤、歯磨き粉の成分、目薬、皮膚科でもらう軟膏類ですらかぶれを引き起こすことがあります。
また、光接触皮膚炎という特殊な状況も見られます。これは、外用剤を塗っただけではアレルギー反応を引き起こさないのですが、外用剤の塗った後、紫外線の影響を受けて光毒性を生じ、結果としてかぶれが生じるというものです。
こういうことから、単なる手荒れや湿疹と思われる中には、潜在的な接触皮膚炎の患者さんが多く含まれていると考えています。
当院では、繰り返し顔の赤みやかゆみ・かさつき等を訴えて来院される患者さんに対して、まず真っ先に化粧品や日常生活用品のかぶれを考えて治療にあたっております。
イボ治療
※一部保険適用外の治療の説明が含まれています。
イボは、ヒトパピローマウイルスによる病気で、皮膚の表面から大小の隆起性の病変が生じます。表面が白くにごり、ざらざらした感じがするのが特徴です。
この病気は、人から人へ、あるいは自分の体の中で次々とうつる点が厄介です。
治療の基本は、マイナス170℃の液体窒素を専用の噴霧機(クリオ・スプレー)を用いて、凍傷を起こさせます。5秒間から10秒間、しつこく液体窒素を当てることで、イボの深い部分にまで冷気が届くよう工夫しております。大抵の場合、2~3回の治療でイボを退散させることが出来るのですが、足底にあるイボは角質が分厚く、液体窒素では治し難いのが現状です。
そのため、足の裏のイボに限っては、保険適応外の治療になりますが、イボに有効なブレオマイシン添加の局所麻酔薬にて麻酔を行った後、炭酸ガスレーザーの照射をお勧めしております。
治療効果は色々な治療の中で最も高いのですが、治療部位が生傷状態になり、皮膚が張ってくるのに2週間から3週間の時間が掛かります。通常、この治療(保険適用外)を行えば、1回から2回のレーザー治療で治すことが出来ます。
イボの治療方法
液体窒素
クライオプロ
デンマーク コーテックステクノロジー社製
液体窒素にひたした綿棒で圧迫する方法が、多くのクリニックで行われていますが、当院ではクライオプロという器具を使用しています。この器具を用いてからピンポイントの治療がやりやすくなりました。また、液体窒素の連続噴霧が可能となり、イボを長時間液体窒素にさらすことができ、イボの塊の奥深くまで冷気を伝えることが出来るようになりました。その結果、従来の方法に比べて、痛みはやや強いものの、少ない治療回数でイボを治すことが出来るようになりました。
内服薬
【漢方薬(ヨクイニン・補中益気湯)】
イボに有用であることが確認されているヨクイニンと免疫力をアップさせる補中益気湯の組み合わせです。但し確実性はやや乏しく、長期の内服が必要になることがあります。他の治療と併用したりします。
外用薬
【サリチル酸+グルタール製剤療法】
皮膚を軟化させるサリチル酸含有の張り薬を貼り、皮膚が柔らかくなったところでイボ組織のたんぱく質を凝固させウイルス殺菌に効果のある消毒液を綿棒で塗布します。塗布すると、茶色くかさかさになって取れていきます。
【アラセナ軟膏 ODT療法】
抗ウイルス薬を少量すつ患部に塗布し、ODT療法を行います。痛みのない治療ですが、治療までに時間がかかります。
レーザー治療
【炭酸ガスレーザー】
イボに有効なブレオマイシン添加の局所麻酔薬を使用した後でレーザー治療照射を行います。治療効果は最も高いのですが、キズが回復するまで時間がかかります。通常1~2回の治療で治すことができます。炭酸ガスレーザーについてはこちら
料金のご案内
イボについて日々感じていることは、原因となるヒトパピローマウイルスが、人体に対する毒性が弱いせいか、免疫が反応して抗体が作られるまでに、数ヶ月から数年単位という非常に長い時間を要します。いつかは抗体ができ、自然治癒するのですが、それが1ヶ月先なのか5年先なのかはっきりしません。
また、イボ自体、軽いかゆみが伴うことが多く、指で掻きむしったあと指に感染し、その指で触ったあらゆる場所にウイルスを植え付けることになります。僕自身、この事から、ウイルスの陰謀説(かゆみを引き起こし、子孫を増やそうとする。)を唱えています。
通常、イボ治療を行う際、液体窒素治療、保険適用外の炭酸ガスレーザー治療では、皮膚全層が壊死に陥っても構わないという勢いで治療しております。
まるで親の仇でも討つかのごとく、徹底的にイボを叩きのめす気持ちで治療を行っております。が、実際に皮膚が死んでしまうことは一度もございません。その理由は、イボを栄養とする血管がイボ周辺に張り巡らされているせいで、傷の治りは正常皮膚に比べて、むしろ大幅に短いと感じております。
足底にできるイボを含めて、一般的にイボは治りにくいと考えられていると思うのですが、当院では、攻撃的な治療を徹底的に行うことで、1~2ヶ月の短期間で治すように心がけております。
長年治らなかったイボでお悩みの方はぜひご相談ください。
花粉症治療
治療は、内服薬治療を主軸に、豊富な経験と知識のもと適切な治療を行います。お悩みの症状を診察時にご相談ください。
花粉症とは
体内に入ったある特定の花粉が目に入ったり、鼻から吸い込まれたりすることにより起こるアレルギー症状を花粉症といいます。
その反応として、くしゃみや鼻水、涙という症状がでますが、これらの症状が強く出過ぎるために生活の質が低下してしまいます。また、シラカンバ花粉症など、スギ・ヒノキ以外の花粉症では花粉によって皮膚が荒れる、咳や喘息が起きる、リンゴなどバラ科の果物を食べると口の中が腫れたり、かゆくなったりすることがあります。
花粉とともに野菜や果物に、花粉に共通するアレルギー物質が含まれています。また、果物のアレルギーがある人の場合、ゴム(ラテックス)にもアレルギー症状を起こすことがあり、ゴム手袋を用いる場合などは注意が必要です。
花粉症のアレルゲンと果物の関係
検査 View39
時期により飛散する花粉は異なりますが、複数の花粉が飛んでいたり、実はハウスダストなどが原因だったりすることがあります。
アレルゲンには、ある季節にしか現れないものと、一年を通じてふれる可能性があるものがあります。その特徴や対策の方法はアレルゲンごとに違いますので、何が原因で症状が起こるのかを知ることが大切になります。当院ではView 39という、同時に39項目の代表的なアレルギー物質に対する反応を調べることのできる血液検査を行っております。吸入系のアレルゲン(アレルギーの原因物質)19種類に加えて、食物系のアレルギー20種類も調べることができます。
※3割負担で5000円程度の費用がかかります。