ニキビ治療にとって大切なこと! | ふくずみ皮フ科形成外科

今年も残り少なくなってまいりました。この1年間はニキビの患者さんが非常に多かったように思います。

ニキビの患者さんと一口に言いましても、

  • 治りにくいニキビの方
  • ニキビ跡の赤み、色素沈着、凹凸を気にされている方
  • 不適切なケア方法で肌荒れを伴っている方

様々な患者さんがいました。

28年間、ニキビ治療・ニキビ跡治療に携わってまいりましたが、

この10年間でニキビ治療は非常に進化した部分と、後退した部分があると思っています。

進化した部分は、赤みやニキビ跡に対するレーザーや光治療です。Vビームフォトアクネエルビウムヤグレーザーが常に威力を発揮しています。

重症型のニキビ治療には、内服によるビタミンA誘導体(イソトレチノイン)が最後の砦として、もしくは切り札的なエースカードとして十分な効果が出せるようになりました。

一方、後退した部分ですけど、過度なピーリングによる肌荒れ、ディフェリンゲル(アダパレン)によるビタミンA誘導体、もしくはベピオゲルといった過酸化ベンゾイルの外用薬が約10種類登場して、ニキビ治療のガイドラインにも積極的に治療するとよいと定められていますが、刺激性が強く、肌荒れかさつき赤みかぶれを高頻度に引き起こします。で、そうした肌荒れが悪化した状態で更にニキビを治そうと思い、続けて使う方がほとんどで、そういった肌荒れのトラブルをおこしている患者さんが非常に多いように思います。

当院では『温故知新』を念頭に、10年以上前からある抗生剤、抗菌剤、抗アレルギー剤の内服、イオウ製剤を組み合わせてなるべく肌荒れを起こさない治療を心がけています。

肌荒れを伴ったニキビの患者さんには弱いステロイドの外用薬もしくは非ステロイドの外用薬グリチルレチン酸のハイデルマート軟膏をを短期間併用して、まず肌荒れがない状態にすることが大事だと考えています。

そもそも女性の方は化粧を塗って落とすということを毎日されているので、乾燥性皮膚炎、皮脂角質が過剰に落とされ潤いを保つのが難しい肌状態となっておられます。そういった方には保湿剤を処方してバリア機能の回復、皮膚の乾燥予防に注意して頂きます。逆に言いますと、化粧を毎日する女性にはデュアックゲルやエピデュオ、ディフェリンゲル(アダパレン)などの外用薬の使用は不適切ですと言わざるをえません。

当院では、このような刺激のある薬剤を一切使わないようになりました。

なかなか、にきびの患者さん全員を治療するということはまだまだ難しいとは思っていますが、少なくとも悪化させないということは当たり前のことですし、スタートラインから確実に4~6週間で改善、普通肌に持っていけるようにしたいと思っています。

活動性のニキビがおさまった後は、レーザー治療、光治療を駆使してダウンタイムの少ない治療で、なお且つ3ヶ月程で60~70%程度の改善効果が出せるように、日々頑張っています。

(医)美咲会 ふくずみ皮フ科形成外科

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