当院ではあざ治療行っています。
前回は赤あざについてお話させて頂きましたので、今回は青あざについてお話させて頂きたいと思います。
青あざは太田母斑というのと蒙古斑というのがあります。
蒙古斑はお尻にできる蒙古斑とお尻以外にできる異所性の蒙古斑というのに分かれます。お尻の蒙古斑は原則保険適応外、お尻以外の異所性蒙古斑が保険適応の治療となります。
原因は不明なんですけれども、太田母斑も蒙古斑も真皮内にメラニン細胞、あるいはメラニン色素が落ち込んで、存在しないはずの真皮内にメラニンが存在するというのが特徴です。
20年以上前はドライアイス治療で治療したり、皮膚を切り取って他の正常皮膚を鼠径部とかお尻からとってきて移植するというような、今から考えると、非常に侵襲、ダメージの大きい治療をしておりました。
平成元年ごろに選択的熱破壊理論という理論が発見されまして、不要なメラニン細胞、もしくはメラニン色素だけを選択的に破壊除去するという仕組みが整いまして、Qスイッチルビーレーザーというレーザーが開発されました。
健康保険が適応になったのは、約25年~35年ぐらい前で、太田母斑と異所性蒙古斑は3ヶ月おきに3回~5回程度のレーザー治療が保険で行えるようになっております。
レーザー治療はリドカインの麻酔入りのクリームを使用するか、キシロカインの局所麻酔の注射薬を使用してレーザー治療を行います。500円玉大の病変で治療時間は5~10分です。名刺大の大きさで20~30分程度かかります。
レーザー治療後はワセリン基剤のゲンタシン軟膏を塗布して、フォルム付きガーゼ、メロリンという名前の創部にぴったりと付着しにくいように、しかも浸出液を吸収して通気がよくなっている特別なメロリンガーゼを貼っていただきます。顔で2週間、顔以外の部位ですと約1ヶ月間軟膏処置とガーゼの貼付を1日1,2回行って頂いております。お風呂、シャワーは軽くなら入っていただけますけれども、多量の飲酒等、もしくは長時間の入浴では治療部位が腫れたり、水膨れができたりする恐れがありますので、そういった極端なことはされないようにお願いしています。
青あざに関しては、5回までの治療でたいていの色素は除去できます。
選択的熱破壊理論については、照射時間、1千万分の1秒というような非常に短い時間の間に、非常にピークパワー、大きな出力を照射することで、メラニン細胞あるいはメラニン顆粒を瞬間的に熱上昇して破壊し、こなごなに、もしくはガスに変化します。ガスは体内で吸収されて、細かく砕け散ったメラニン顆粒はマクロファージ―等の貪食細胞等に捕食されて、血管内に運び込まれて除去されます。最終的に脾臓、肝臓で除去されます。表面上のメラニン顆粒は痂疲となって剥がれ落ちます。
瞬間的に熱上昇を起こして、周りの正常皮膚には余計な熱を拡散させない、もしくは熱を及ばない程度に短い時間。ということで、ヤケドを起こさずに安全な治療ができるということが非常に画期的な治療といえます。
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(医)美咲会 ふくずみ皮フ科形成外科