陥入爪とは、爪が周囲の皮膚にくい込んで炎症を起こしている状態です。長期間続くと、炎症がひどくなり感染を併発して爪の周囲が赤く腫れて強い痛みを生じ歩くのがつらくなります。また出血しやすい肉芽という盛り上がりがでてきます。深爪が最も多い原因とされています。主に第1趾に生じますが、他の足の趾や手の指にできることもあります。また、巻き爪と合併することもあります。
陥入爪の手術方法
フェノール法
爪の端のくい込んでいる部分を切り取り、組織腐食作用をもつフェノールを爪母(爪を作る部分)に塗る処置を行うことにより、再び爪を生えさせず、再発を防ぐ手術(保険適応)です。爪の幅は少し狭くなりますが、くい込みはなくなります。縫合や抜糸の必要もなく、局所麻酔をした上で行いますので、手術中の痛みもありません。
当院の手術手順
ブロック麻酔をしてから、炎症と痛みの原因となる陥入した爪をその根元(爪母)から取り除き、再度その部分が再生しないようにフェノール液を使って変性処置します。綿棒にフェノール液を浸し、爪母に30~60秒あてる処理を5回程度。合計5分程度繰り返します。その後フェノールの効果が持続しないように無水エタノール20mlで中和し、生理食塩水で洗浄し、包帯で巻いて圧迫します。縫合処置はしませんので、麻酔から包帯を巻くまでの時間約30分以内と短時間の手術です。
まず、診察を受けていただきます。症状がひどくなければ外用薬で炎症を抑える温存療法もあります。手術適応かどうかを判断した上で最適な治療法をご提案します。その上で、患者様のご希望を伺い、希望された方に手術の予約をいたします。
手術は第2・4の水曜日(10時~14時30分)、第2・4の水曜日土曜日(10時~19時)に行っています。<完全予約制>
手術時間は麻酔の時間を含め約20~30分です。
術後の状態にもよりますが、通常1~2週間後に患部の術後を観察しますので診察にお越しください。
- 手術当日は、ガーゼや包帯の厚みで靴が履き辛くなりますので、大きめのサンダルやスリッパをお持ちください。
- 患部から出血することが多いので、速やかに帰宅し、足を高く上げてなるべく安静にしてお過ごしください。
- シャワ―は翌日から、入浴は1~2週間後から可能です。
- 翌日より患部をシャワーでよく洗い流し、外用薬を塗り、絆創膏で保護する処置を、患部の炎症がおさまるまでおよそ2週間程度行います。
- 激しい運動や飲酒、プール、温泉、海水浴などは1~2週間はお控えください。
- 爪を抜いた隙間は数日間空いた状態ですが、次第に埋まってきますので心配いりません。
手術料金
陥入爪手術(簡単) | 約4,200円 |
陥入爪手術(爪床爪母の形成を伴う複雑) | 約7,500円 |
※3割負担の支払額になります。1割負担の方はこの金額の1/3になります。 ※金額は1趾辺りの金額です。1本の趾では爪の片側と両側の治療は同金額です。 ※上記料金以外にも初診料、再診料、処方料、薬剤料が別途必要になります。
※診療報酬の改定により変更になる可能性があります。
よくあるご質問
Q.手術時間はどれくだいかかりますか?
A.麻酔をした後、麻酔がよく効くまでお待ちいただきます。その後は1ヶ所につき10~15分程度です。
Q.手術は痛いですか?
A.ブロック麻酔を指の目元の部分に行います。麻酔時は痛みを伴いますが、手術中は痛みはありません。
Q.手術後は痛いですか?
A.当日、翌日ぐらいまでは痛みが続きますが、その後痛みがなくなり、それまでの苦痛から解放されます。痛みに対しては痛み止めの内服薬を処方致します。
Q.相談した日にすぐに手術してもらえますか?
A.診察当日に手術の空きがございましたら可能な場合もあります。
Q.出血はいつまで続きますか?
A.出血が多少あっても当日中のうちにはほぼ止まります。
Q.施術後はスポーツがすぐにできますか?
A.手術後数日間は、運動は控えていただきます。通常の歩行は問題ありませんが、走ったり踏み込んだりするのは1~2週間はお控えください。