イボ治療 | ふくずみ皮フ科形成外科

イボは、ヒトパピローマウイルスによる病気で、皮膚の表面から大小の隆起性の病変が生じます。表面が白くにごり、ざらざらした感じがするのが特徴です。
この病気は、人から人へ、あるいは自分の体の中で次々とうつる点が厄介です。

治療の基本は、マイナス170℃の液体窒素を専用の噴霧機(クリオ・スプレー)を用いて、凍傷を起こさせます。5秒間から10秒間、しつこく液体窒素を当てることで、イボの深い部分にまで冷気が届くよう工夫しております。大抵の場合、2~3回の治療でイボを退散させることが出来るのですが、足底にあるイボは角質が分厚く、液体窒素では治し難いのが現状です。

そのため、足の裏のイボに限っては、保険適応外の治療になりますが、イボに有効なブレオマイシン添加の局所麻酔薬にて麻酔を行った後、炭酸ガスレーザーの照射をお勧めしております。
治療効果は色々な治療の中で最も高いのですが、治療部位が生傷状態になり、皮膚が張ってくるのに2週間から3週間の時間が掛かります。通常、この治療(保険適用外)を行えば、1回から2回のレーザー治療で治すことが出来ます。

イボの治療方法

※一部保険適用外の治療の説明が含まれています。

液体窒素

液体窒素にひたした綿棒で圧迫する方法が、多くのクリニックで行われていますが、当院ではクライオプロという器具を使用しています。この器具を用いてからピンポイントの治療がやりやすくなりました。また、液体窒素の連続噴霧が可能となり、イボを長時間液体窒素にさらすことができ、イボの塊の奥深くまで冷気を伝えることが出来るようになりました。その結果、従来の方法に比べて、痛みはやや強いものの、少ない治療回数でイボを治すことが出来るようになりました。

内服薬

【漢方薬(ヨクイニン・補中益気湯)】
イボに有用であることが確認されているヨクイニンと免疫力をアップさせる補中益気湯の組み合わせです。但し確実性はやや乏しく、長期の内服が必要になることがあります。他の治療と併用したりします。

外用薬

【サリチル酸+グルタール製剤療法】
皮膚を軟化させるサリチル酸含有の張り薬を貼り、皮膚が柔らかくなったところでイボ組織のたんぱく質を凝固させウイルス殺菌に効果のある消毒液を綿棒で塗布します。塗布すると、茶色くかさかさになって取れていきます。

アラセナ軟膏 ODT療法】
抗ウイルス薬を少量すつ患部に塗布し、ODT療法を行います。痛みのない治療ですが、治療までに時間がかかります。

レーザー治療

【炭酸ガスレーザー】
イボに有効なブレオマイシン添加の局所麻酔薬を使用した後でレーザー治療照射を行います。治療効果は最も高いのですが、キズが回復するまで時間がかかります。皮膚が再生するまで、塗り薬を塗布し、ガーゼで保護します。1~2回の治療で治すことができます。炭酸ガスレーザーについてはこちら

イボについて日々感じていることは、原因となるヒトパピローマウイルスが、人体に対する毒性が弱いせいか、免疫が反応して抗体が作られるまでに、数ヶ月から数年単位という非常に長い時間を要します。いつかは抗体ができ、自然治癒するのですが、それが1ヶ月先なのか5年先なのかはっきりしません。

また、イボ自体、軽いかゆみが伴うことが多く、指で掻きむしったあと指に感染し、その指で触ったあらゆる場所にウイルスを植え付けることになります。僕自身、この事から、ウイルスの陰謀説(かゆみを引き起こし、子孫を増やそうとする。)を唱えています。

通常、イボ治療を行う際、液体窒素治療、保険適用外の炭酸ガスレーザー治療では、皮膚全層が壊死に陥っても構わないという勢いで治療しております。
まるで親の仇でも討つかのごとく、徹底的にイボを叩きのめす気持ちで治療を行っております。が、実際に皮膚が死んでしまうことは一度もございません。その理由は、イボを栄養とする血管がイボ周辺に張り巡らされているせいで、傷の治りは正常皮膚に比べて、むしろ大幅に短いと感じております。

足底にできるイボを含めて、一般的にイボは治りにくいと考えられていると思うのですが、当院では、攻撃的な治療を徹底的に行うことで、1~2ヶ月の短期間で治すように心がけております。
長年治らなかったイボでお悩みの方はぜひご相談ください。

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