シミと肝斑ってどう違うの?治療法もちがう?(2021.07.08更新)
こんにちは!ふくずみ皮フ科形成外科です。
ぐずついたお天気の日がつづいていますね。
本日は、年齢を重ねるごとに私たちが気になるシミについて。実はひと言でシミといっても、いろいろな種類があります。「肝斑」もその一つですが、一般的なシミとは原因や治療法が異なります。そのため、シミ治療を行うと、かえって肝斑が悪化してしまうこともあります。
一般的なシミとの違い
- まず、シミの中でもっとも頻繁に見られるのは「老人性色素斑(日光性黒子)」です。一般的にシミというと老人性色素斑を指すことがほとんどで、おもな原因は紫外線によるダメージの蓄積です。紫外線によってシミのもとであるメラニン色素が過剰に作られ、それが皮膚に色素沈着を起こすことで、シミが発生します。男女問わず発生し、加齢とともに増えていきます。また、30代以降にできることが多いですが、中には10代のうちから現れる人もいます。老人性色素斑は、日光に当たる部位ならどこでもできる可能性があり、顔はもちろん、手や首などにも発生します。そして、シミの色は濃く、境界ははっきりとしています。
- これに対して肝斑は、おもに左右の両頬に現れます。左右対称に現れる点が大きな特徴で、両頬以外には、口の周りやおでこなどにもできます。ただし、まぶたにできることはありません。色は淡い褐色で、輪郭はぼんやりとしています。男性に発生することはあまりなく、とくに30代~60代の女性に多くみられます。原因について、はっきりとしたことは明らかになっていませんが、紫外線やストレス、洗顔やクレンジングにともなう摩擦の刺激などが影響しているとも考えられています。また、女性ホルモンとの関連も指摘されていて、妊娠・出産、ピルの服用などで、肝斑ができたり、悪化したという症例が報告されています。一方で、閉経を迎えると肝斑が薄くなることもわかっています。
治療
老人性色素斑の場合
代表的な治療法は、レーザー治療です。また、シミの状態によって、光治療や薬物療法が併用されます。薬物療法では、ビタミンCやトラネキサム酸などの内服薬、ビタミンCケアをオススメしています。
肝斑の場合
まずは薬物療法が行われます。老人性色素斑の治療と同じく、ビタミンCやトラネキサム酸などの内服薬、そしてビタミンCケアにトラネキサム酸クリームなどがあります。一般的なレーザー治療は、肝斑には有効ではなく、むしろ悪化するリスクが指摘されています。その原因としては、レーザーがメラニン色素を作るメラノサイトを刺激してしまうことが挙げられます。実際に肝斑に対して従来のレーザー治療を行った結果、シミの色が濃くなったり、再発を繰り返すといった症例が報告されています。こうした理由から、肝斑に対してはレーザー治療は行うべきではないとされています。
肝斑のある方では、肝斑以外の部分にも摩擦により色素沈着が起きていたり、老人性色素斑が混ざって存在したりしています。フォトフェイシャルM22の光治療(IPL)を肝斑に照射すると症状が悪化することがありますが、光の波長を選択することで、肝斑を悪化させることなく、顔全体に美白・美肌へと効果をもらさせます。また肝斑んの原因となる摩擦の刺激を避け、日焼け止め等の遮光をすることも大事です。
医師でも難しい肝斑と一般的なシミの鑑別
ここまで肝斑と老人性色素斑の違いについてお伝えしてきましたが、実はこの2つのシミを見分けることは医師でも難しいといわれています。肝斑の大きな特徴として両頬に左右対称に発生することが挙げられますが、老人性色素斑も両頬に発生することがあります。また「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM、後天性両側性太田母斑様色素斑)」というシミのようなアザも、両頬やおでこにできたり、思春期~中年の女性に多いなど、肝斑と非常によく似た特徴を持ちます。このように肝斑は、医師でもほかのシミとの鑑別が難しいといわれています。
当院の特徴
お伝えしたように、肝斑は老人性色素斑とは特徴も治療法も異なるシミですが、見分けがつきにくいという難点があります。当院では診察・カウンセリング時にVISA(全顔画像解析装置)によるカラー写真とUV写真で顔を撮影し、肌の状態を確認いたします。肉眼では確認できないシミやシワをはじめ、肌年齢まで画像から解析いたします。、患者さまに合った治療法をご提案いたします。
お客様のスケジュールに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。是非ご相談にお越しください。