手荒れ治療 | ふくずみ皮フ科形成外科

手荒れにも軽度から重度まで、様々な症状があります。繰り返す手荒れにも、強烈なかゆみを伴う手荒れにも、短期間で治療を行います。治らないと諦めずに、医師にご相談ください。

手荒れについて

当院には、重症の手荒れの方が多く来院されます。 手荒れと一口に言っても、ちょっとかさつく程度から手全体が腫れ上がり深い亀裂が生じて(赤切れ)、夜中に猛烈なかゆみをもよおす重症の手荒れまで、症状の程度はさまざまです。

手荒れの原因として、美容師さんのシャンプーやパーマ液でかぶれたりする職業的なものが多いのですが、皮脂の落とし過ぎによるものも多く見受けられます。他にも革製品や草花・ゴミ製品によるかぶれを見過ごしてはなりません。患者さんの職業をお聞きする事が重要です。例えば、花屋の店員さんで草花を日頃触ることで手のかぶれを起こすことがあります。また、茎や葉に付着している農薬が原因になることもあります。

軽い手荒れの場合は、食器洗いなどの洗剤を使うシーンでゴム手袋をはめて頂いたり、手を洗う回数を減らして頂いた上で、保湿剤や中くらいの強さのステロイド外用剤で治療すれば、短期間で治すことが出来ます。

手荒れの状態が中等度の方には、更に毎日の洗髪時にも注意を払って頂いております。湿疹で皮膚の表面が固くなった状態で髪を洗うと、髪の毛がカミソリのような働きをします。硬くなった皮膚に細かな傷が大量につけられ、そこにシャンプーなどの洗浄剤が入り込むと、更に症状を悪化させてしまいます。

当院では、生ゴミ用の薄手のプラスチック製の手袋をお渡しして、患者さんの毎日のシャンプー時に使って頂くようご案内しております。一見面倒に思われる方も多いのですが、こまめに手の保護を行なって頂きますと、治りは格段に良くなります。

数ヶ月~数年に渡って高度の手荒れが続いている方には、更に踏み込んだ治療が必要となります。ガチガチに分厚くなった皮膚に、どんなに強いステロイド剤を塗ったとしても、ただ単に塗るだけでは治すのはもはや不可能に近いものがあります。

当院では、重度の患者さんに対し、主に大学病院等の皮膚科に入院されている患者さんに行われるODT(密封療法)に、重層法を組み合わせた治療を行っております。方法は、ステロイド外用剤 を湿疹のある部位に厚めに塗った後、その上に亜鉛化軟膏という、いわば石膏のような軟膏を重ね塗りします。更にメロリンという特殊なフィルム付きのガーゼで手全体を包みます。そしてその上から弾性包帯で手先から手首までぐるぐる巻きにします。

このメロリンを用いた手袋を手の形に合わせて作成した後は、一週間ほどの間繰り返し使って頂いております。日中使用すると手が自由にならず、仕事に差しつかえがあるかと思いますので、夜入浴後にステロイド軟膏と亜鉛化軟膏を塗ったあとに装着して頂き、起床時に外して頂くというふうにお使い頂いています。通常、この密封療法を行えば、ステロイド外用剤の効き味は、ただ外用剤を塗る場合に比べて3倍~5倍の効力を発揮すると言われています。他に、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服を併用しております。

実は、僕自身、重度の手荒れに悩まされていた時期がありまして、有名な皮膚科の先輩医師に相談したのですが、どうしても症状が和らぐことが出来ず、なんとか自分自身で治療せねばと思案した結果、たどり着いた治療法です。 今では、どんなに重症な手湿疹であっても1ヶ月以内に治してみせますと豪語しております。

手荒れが治った後も再度繰り返さないように、常日頃から手洗いの回数を減らしたり、保湿剤をこまめに塗って頂いたり、シャンプーや食器洗いの際には面倒でも必ず手袋をはめて頂いたりと、患者さん一人一人に手荒れがぶり返さないように用心して頂いております。

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